調印式の壇上。背筋を伸ばし、胸を張り、時に笑った。「これだけの舞台。強い相手を前にして尻込みしているのではなく、初挑戦は最初で最後。楽しみたい」。今は当然、眼前の試合に集中する。ただ、同時に、この試合に勝てば「対戦資格」も得られる。

 帝拳ジムの本田会長は、「勝てば、年内に防衛戦をやり、年明けにゴロフキンとやらせたい」と見通す。16連続KO防衛の世界タイ記録を持つ最強王者。WBAではスーパー王者に君臨する。9月には2階級王者アルバレスとの試合を控えるが、ともに勝利を続ければ…。村田は「もちろん、やりたい。強い選手と戦いたいですから」と話す。14年夏には米国合宿でスパーリング経験もある。

 WBAは階級に1人の王者を推進しており、実現すればスーパー王者と正規王者の統一戦が本筋。ただ、3月に前正規王者ジェイコブスが挑んだ時は、WBC、IBF含め、3本のベルトがかけられた。同じ王座統一戦も夢ではない。

 「良い未来を想像しないと、かなえることはできない。あさって、最高の結果を想像し、それを勝ち取る」

 その先の未来へつながるベルトを。【阿部健吾】