ボクシングのロンドン五輪金メダリストで、20日に行われたWBA世界ミドル級王座決定戦で不可解判定により敗れた村田諒太(31=帝拳)の所属する帝拳ジムの本田明彦会長(69)が22日、「村田がやりたい(現役続行)というのなら、サポートをしたい」と、世界王者への再挑戦へ向けた環境作りを約束した。

 試合後に村田とは話し合いの場をまだ持っておらず、本人の意思を確認した上で、今後の動向を決める。

 王座決定戦では村田がダウンを奪うなど、終始優勢に進めていたかに見えたが、ジャッジ2人が対戦者アッサン・エンダム(フランス)の手数を評価し、1-2の判定負けとなった。試合終了直後から日本だけでなく、海外でも判定への疑問を訴える声が噴出。WBAのメンドサ会長(ベネズエラ)が誤りを認め、村田陣営に謝罪し、直接再戦へ動く異例の事態となっていた。本田会長は「「WBC(世界ボクシング評議会)、WBO(世界ボクシング機構)からも、うちで試合をやってほしいという話がある。村田がやりたいと言えばベストな選択をしたい。WBAの再戦も選択肢の一つ」とも述べた。

 渦中の村田はこの日、都内の帝拳ジムにあいさつに訪れた。現在の心境については「判定も含めて、経験できない経験をさせてもらった。人間的な成長になっていると思う。味わい深い人生を送らせてもらってます」と柔和な表情で答えた。しばらく休養を取る予定で、その間に進退を考えるという。「ロンドンの後は、金メダルを取ったし、もういいやという感じがあったが、今回はもういいやという感じではない」と現役続行へ含みを持たせた。