5月にNXTからスマックダウンへと昇格した中邑真輔(37)が、タイトル戦線に絡む大きなチャンスをつかんだ。実力と人気が認められ、ついにWWE次期挑戦者決定戦の出場権を得たのだ。

 23日のPPV大会「バトルグラウンド」でランディ・オートンを下して防衛に成功したWWE王者ジンダー・マハルの次期挑戦者は、誰もがスンナリとジョン・シナになると予想していたはずだ。その舞台も夏の祭典サマースラム(8月20日、米ニューヨーク・ブルックリン)になるだろうと。ところがダニエル・ブライアンGMの裁定で、一躍、中邑が脚光を浴びる展開となった。

 リング上で王座挑戦をアピールしたシナに向け、同GMは「試合を決めるのは君ではない。シナはチャンスを勝ち取らないと。今夜素晴らしいパフォーマンスをしていた中邑真輔と来週対戦してもらう。このドリームマッチに勝利した者がサマースラムでWWE王座に挑戦する」と挑戦者決定戦の開催を発表。すると会場は対戦カードを歓迎する熱気に包まれた。その風貌やファイトスタイルから「ロックスター」や「アーティスト」の愛称で呼ばれる人気選手となった中邑。因縁が続くバロン・コービンとのシングル戦も高くファンにも支持されていた。

 中邑は23日の「バトルグラウンド」でのシングル戦でコービンの股間蹴りによる反則で勝利という消化不良の結末を迎えていた。しかし、この日は股間蹴りを見事にかわし、エルボー、ヒザ裏への蹴りでコービンを崩すと、後頭部と正面に2連続でキンシャサ(ボマイェ)を決めて白星を挙げた。中邑のムードは夏の暑さとともに上昇気流。シナとの大一番が楽しみになってきた。