ボクシングの前WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者内山高志(37=ワタナベ)が、29日に都内で現役引退を表明した。

 昨年12月31日に同級王者ジェスレル・コラレス(26=パナマ)との再戦で王座奪回に失敗したが、進退については保留していた。

 「だいぶ悩みながら4月ぐらいに引退しようかと思った。本当に固まったのは6月。モチベーションの低下に、ケガも多くなり、果たして前以上に強くなれるかと。必死に努力して見てもらうことがモットー。100%出せず中途半端で試合はウソになる」と決断への経緯を説明した。

 プロ12年間を振り返り「世界王座獲得のサルガド戦が一番うれしかった。ケガを乗り越えた三浦戦、手術後で怖さのあったソリス戦も思い出」と話した。ベストバウトには2回KOしたV10のジョムトーン戦を挙げた。

 花咲徳栄高でボクシングを始め、拓大では01年に全日本で優勝し、社会人でも五輪を目指した。アテネ五輪予選敗退で引退したが、プロの誘いに再び血が騒いで05年にワタナベジムでプロ転向してデビュー。07年に東洋太平洋同級王座を獲得して5度防衛。10年1月に世界初挑戦して12回TKO勝ちし、6人目にしてジム初の世界王者となった。KOダイナマイトの異名通り、日本歴代3位の11度防衛中9度がKOとハードパンチャーぶりを存分に発揮。15年にはスーパー王者に認定された。

 昨年4月のV12戦で、コラレスにまさかの2回に3度ダウンでTKO負けで陥落した。8カ月後の再戦でも1-2の判定負けで返り咲きはならず。熱望していた海外ビッグマッチを最後まで実現できなかった。プロ戦績は24勝(20KO)2敗1分け。

 今後は未定としたが「のんびり猫カフェでも」と笑わせた。「後々にはジムをやりたい」と話した。