プロレスラー大仁田厚(59)が19日午前、佐賀県佐賀市の佐賀新聞社本社を訪問し、17日に神埼市の次郎体育館で開催した入場無料チャリティーイベント「がんばれ九州!九州北部豪雨チャリティー電流爆破マッチ神埼市大会」で集まった「平成29年7月5日からの大雨災害義援金」を中尾清一郎社長に届けた。

 大仁田は、母親の故郷が佐賀県ということもあり、地元の協力を得て無料チャリティープロレスを開催。当日は台風18号の影響で悪天候だったにもかかわらず、約400人のファンが集まり義援金14万3363円が集まった。さらに大仁田厚が参戦した翌18日の超戦闘プロレスFMW熊本大会に設置された募金箱に集まった義援金と、航空便の欠航により無料チャリティープロレス観戦がかなわなかった、首都圏のファンから届けられた義援金も加わり、義援金の総額は14万7163円に上った。

 大仁田は中尾社長に義援金全額を手渡した際、次のように語った。

 大仁田 熊本の震災、東日本の震災の支援に現地を訪れた際、物資が不足しているところもあれば、余っているところもあった。みなさんの温かい気持ちのこもった義援金だからこそ、必要な人のためにちゃんと役立てて欲しい。地元の新聞社だからこそ、かゆいところに手が届くじゃないけど、効果的に届けてくださると思い、佐賀新聞さんにお届けに来た。よろしくお願いします。

 その上で、無料チャリティープロレスで感激した出来事について語った。

 大仁田 やっぱり人の力なんだよ、困った時は。周りが助けてくれるし、近くに困ってる人がいたら自分も助けようって気持ちを持って欲しいじゃない。近隣の佐賀県からの支援を届けられてよかった。会場でさ、9歳くらいの男の子が募金箱に入れてくれたんだよ。それで思い出したんだけど、俺らも小さい頃に小遣いから10円玉を募金箱に入れて、赤い羽根をもらっただろ?あの時、良いことをした自分が誇らしかった。良い行いをする体験って、大事だよな。

 大仁田は18日夜のツイッターで、インターネット上に今回の無料チャリティープロレスについて、誹謗(ひぼう)中傷する投稿があったと明かし、怒りとあきれた思いをつづった。

 「誰が書いたか知らないが…義援金ネコババなんかしませんよバチが当たります…選手全員ノーギャラで運営費は俺のファンがこれまで買ってくれたグッズ代から出してるのだ…みんなの気持ちを踏みにじるなよ…(中略)みんなの気持ちのこもった義援金はちゃんと…明日佐賀新聞に届けますよ…俺は…そこまで悪い奴じゃあないよ…書き込んだヤツ! お前…何か溜まってるんだろ(笑)」(原文のまま)

 大仁田は佐賀新聞社本社を後にする際「よく偽善だ偽善だっていうけど、俺はやらないより行動することが大事だと思う」と心情を吐露した。