トリプル世界戦(22日、東京・両国国技館)で初防衛戦に臨むWBC世界ライトフライ級王者拳四朗(25=BMB)が18日、都内のホテルで挑戦者の同級1位ペドロ・ゲバラ(28)らとともに予備検診を行った。

 拳四朗がキョトンとした。「何ででしょう?」。胸囲83・0センチはマイナス4センチ、リーチ163・5センチは同2・3センチ、視力は右0・7が同0・5、左0・8は同0・4…。タイトル奪取した5月のロペス戦時よりサイズは縮み、視力もダウンした。ゲバラに胸囲で8・5センチ、リーチで6・5センチ下回る。しかし、本人に自覚、劣勢感はない。

 「いや~(周りに)体、大きくなったなと言われるんですよ。僕自身(5月の時より)パワーがついたと感じてます。今までやってきたトレーニングが実になってきた感じがするし。単に測り方の問題ちゃいます?」。不思議な数字には、どこ吹く風だった。

 25歳に見えない童顔、ボクサーらしからぬ脱力感。癒やし系王者はとことんマイペースだ。この日は鮮やかな赤のヨットパーカに短パン。ロペス戦の予備検診と同じ「ユニクロ」だ。「このパーカええでしょ? ええ色でしょ? 着ててもめっちゃ楽ですし」。約1カ月前から都内の三迫ジムで練習しており、急に寒くなったため購入した。「今回は(世界戦)2回目やし(予備検診など行事の)ホテルも同じ。よりリラックスしとるんちゃいますかね」と、父の寺地久会長(53)は言う。これ以上ない自然体で、初防衛戦を迎えそうだ。