ボクシングのロンドン五輪金メダリストでWBA世界ミドル級1位村田諒太(31=帝拳)が22日、両国国技館で王者アッサン・エンダム(フランス)との同級タイトルマッチに臨む。村田にとって5月の王座決定戦で敗れた相手との直接再戦。物議を醸す判定となった5月の一戦をデータからひもとき、試合の行方を占う。

<村田諒太 堅牢無比>

 村田は、エンダムからの471発を受け止め、許した有効打はわずか18発。多彩なブローの嵐、その約96%をブロックの盾ではじいた。翻り、その拳を矛として的確に敵を射抜いた。ガードをくぐり抜けたパンチは57発。実に5発に1発は強打をフレンチボクサーの体に届かせ、右ストレートでリングにはわせた。「基本的なスタイルは変えない」。厚き壁を築いて、右拳で壁を貫く。

<アッサン・エンダム 不撓不屈>

 エンダムは、4回にダウンした後も空振りを誘発した。村田の284発のうち体に触れさせなかったのは136発。ミドル級では傑出の足さばき、柔軟さで約48%の回避率を生んだ。過去、6度のダウンでも12回を戦い抜いたタフネスは倒れても羽ばたきをやめない。「5月に見られなかった私を見ることができる。前回と同じ展開には絶対にならない」。羽は折れることはない。王者を守るために。

 ◆First Fight(5・20) ガードを堅め、前進で圧力をかけ、手数を絞って好機に右ストレートを狙う村田。対するエンダムは周回しながら手数を多く、短く連打をまとめる展開。4回に村田がカウンターの右ストレートでダウン奪取。影響を最小限に留めたエンダムはふらつく場面もありながら、足を止めずに、手数も落ちず。判定は2-1(116-111、115-112、110-117)でエンダム。