ボクシングのトリプル世界戦(22日、東京・両国国技館)前日計量が21日、都内のホテルで行われ、初防衛を狙うWBC世界ライトフライ級王者拳四朗(25=BMB)がリミットまで200グラムの48・7キロでクリアした。挑戦者の同級1位ペドロ・ゲバラ(28=メキシコ)も48・7キロでパスした。

 計量が終わると、最高のご褒美が待っていた。総額5万4000円、牛肉づくしの超高級特製弁当だ。山形・雪降り和牛のシャトーブリアン、雪室で熟成させた牛タン、宮崎・尾崎牛のサーロインのサンドイッチ。大の肉好きの王者は、シャトーブリアンを一口ほおばるや「うっま~! めっちゃ柔らかい。これ、やばいですよ」と絶叫した。

 前回5月20日の世界戦後、祝勝会を行った店が東京・西麻布にある焼き肉店「けんしろう」。店名も、店主岩崎健志郎さん(39)も“同名”という縁もあって、つき合いが始まり、今回は岩崎さんが大奮発した。拳四朗はナチュラルウエート(通常時の体重)約57キロから、約9キロ減量した“飢餓状態”。味覚も研ぎ澄まされているのか「今までの減量後に食べたもんの中で、ダントツ! うますぎます」と箸が止まらなかった。

 最高の栄養を補給して、後は初防衛を飾るだけだ。対戦相手ゲバラについて、ある程度の対策は立てているが、基本は自分との戦い。「シミュレーションとかは特にしません。(左でつついて、カウンター狙いの)自分のスタイルをいかに出せるか」。リングでは同級1位の最強の挑戦者をきれいに平らげる。