31日に現役引退を控えるプロレスラー大仁田厚(59)が、台風21号が接近した沖縄で最初で最後の電流爆破マッチを行い、有刺鉄線電流爆破バット攻撃でHASEGAWAを沈めて完全勝利を挙げた。

 試合会場は、6月に「第9回AKB48選抜総選挙」の開票イベントとコンサートが悪天候のため中止され、豊見城(とみぐすく)市立中央公民館で無観客で総選挙が開催されたという、いわく付きの場所だった。

 試合のタイトルは大仁田自ら決めたが、皮肉なことに超大型の台風21号が沖縄本島に接近。午後4時半頃から雨風が強くなり、大会の開催自体が微妙な雲行きとなった。主催のプロレスリングAチームは、メインイベントの電流爆破デスマッチを第3試合に組み替えて強行。会場管理事務所からは、豪雨と強風のため、第3試合終了後の興行中止が勧告された。

 その中、第3試合で大仁田、保坂秀樹、千葉智紹の邪道軍が、HASEGAWA、雷神矢口、桜井匠のA-TEAM軍と激突。大仁田が、矢口の有刺鉄線電流爆破バット攻撃をかわし、矢口を自爆に追い込んだ。大仁田はその後、HASEGAWAの有刺鉄線電流爆破バットを受けたがカウント2で返すと、桜井への毒霧攻撃で試合の流れを変えた。そしてHASEGAWAの脳天を机の破片で痛打した後、有刺鉄線電流爆破バットをフルスイング。強烈な一撃に轟沈(ごうちん)したHASEGAWAを押さえ込み15分32秒、体固めで勝った。

 第3試合が終わった頃には風雨もやや弱まり、結果的には途中で大会を中止することなく全8試合を無事に終えた。大仁田は悪天候の中、駆けつけた686人の熱心なファンに「沖縄の皆さん、台風のなか、来てくれてありがとう。HASEGAWA、よく頑張ったな!」と絶叫した。