ボクシングのWBA世界ミドル級新王者となった村田諒太(31=帝拳)が、変わらぬ「挑戦」を誓った。直接再戦となった前王者アッサン・エンダム(フランス)を棄権による7回終了TKOで下してから一夜明けた23日、都内ジムで会見。防衛回数へのこだわりはみせず、さらなる「トップ・オブ・トップ」がそろう、ミドル級覇権争いの中心に踏み込む決意を言葉にした。

 

 欧米人の平均体格に近く世界的に強豪が集うミドル級。いま、その頂点に君臨するのがゴロフキン。3団体のベルトを束ね、専門誌などでパウンド・フォー・パウンド(全階級通じての最強選手)の1位に立つ。

 ただ、この2戦はKOを逃した判定勝ち、引き分けと陰りがみえ始めている。村田も「ピークは過ぎたかもしれない」と見定め、「ゴロフキンにこだわっているわけではない」とも話す。来年5月には9月に引き分けた元2階級制覇王者アルバレスとの再戦がうわさされ、その結果次第で「割り込み方」も影響を受けるだろう。

 各団体の世界ランク上位にも「1軍」が連なる。WBO王者サンダースは12月16日に元IBF王者レミューとV3戦を控え、復活を期す元WBA王者ジェイコブスは現在WBC3位、1階級下のIBFスーパーウエルター級王者だったチャーロはWBCミドル級1位に位置する。

 村田の現在地点は、1軍候補筆頭か。流動的に変わる戦況を見定め、ターゲットを決める。