10月31日にプロレスラーを引退した大仁田厚(60)が、頸椎(けいつい)の故障で引退を決意した“最後の弟子”佐瀬昌宏(38=フリー)に、引退試合で自らの専売特許とも言える電流爆破マッチを行うことを許可した。

 佐瀬は12月19日に東京・新木場1stRINGで引退興行を開催。引退試合のカードとして、田中将斗(ZERO1)と組み葛西純(FREEDOMS)、NOSAWA論外(フリー)組と戦う、有刺鉄線ボード・ストリートファイト+αデスマッチと発表していたが、+αとして師匠・大仁田が1990年(平2)に開発した、電流爆破を加えたいとひそかに熱望していた。

 大仁田は21日、都内某所で佐瀬と対面。「最後は大仁田さんと対戦したかったんですが、先に引退されて、その夢もかないませんでした。だったら、最後はどうしても、大仁田さんの代名詞でもある電流爆破をやりたいんです。許可してください」と直訴された。

 佐瀬の熱い思いに胸打たれた大仁田は「本当は電流爆破は安易にやってほしくないんだよ。だけど、お前は俺の最後の弟子だし、プロレスと仕事の二足のわらじで一生懸命、頑張っていたのを知ってるよ。『最後は電流爆破で終わりたい』と言うなら、そんなお前に敬意を表して、俺の有刺鉄線バットを進呈する。それに爆弾を付けようが、お前の自由。ただし、ケガするんじゃないぞ。2本の足でリングを降りろよ」と承諾し、佐瀬に自身の有刺鉄線バットを託した。

 大仁田が許可したことにより、佐瀬の引退試合は、有刺鉄線ボード・ストリートファイト電流爆破バット・タッグデスマッチに決定。会場の都合で、ノーロープ有刺鉄線電流爆破(4面爆破)はできないため、会場外の駐車場に3本の電流爆破バットが用意される予定だ。佐瀬は「最後に電流爆破がやれて本望です。託された有刺鉄線を使って、勝って引退試合を終えたい」と意気込んだ。