挑戦者の日本スーパーライト級6位細川バレンタイン(36=角海老宝石)が3-0の判定で同級王者麻生興一(31=三迫)を下し、新王者となった。

 常に前に出てパンチを打つスタイルで、ガードを固める王者を押し続けた。3回に偶然のバッティングで左目上をカットした麻生との接近戦が続き、4回にはバッティングによる減点も受けた。終盤までお互いにひかない激闘を続けて試合終了。ジャッジ3人がすべて1点差という僅差判定勝利を飾った。

 25歳だった06年5月のプロデビューから31戦目、3度目の挑戦で日本王座を手にした。「プロ12年。本当は2~3年で王者になろうと思ったんですけど」と苦笑い。今年1月に宮田ジムから角海老宝石ジムに移籍し、ロードワークなど大幅に練習メニューを変更。「今までは自分で考えて行き当たりばったりでしたが、移籍して初めてプロとしての練習をしたような気持ち」と笑顔でベルトを見つめた。

 7~16歳まで宮崎市で生活面の面倒を見てくれた祖母フミ子さん(86)が会場まで応援に駆けつけた。新王者になった後、リングに上げて一緒に記念撮影。ナイジェリアにルーツを持つ細川は「4年前にお祖父ちゃんが他界したので、お祖母ちゃんのために早く勝たなくちゃと思っていた」と安堵(あんど)の笑みを浮かべていた。