ボクシングWBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(24=大橋)が、年末興行で集大成をみせつける。30日に横浜文化体育館で同級6位ヨアン・ボワイヨ(29=フランス)との7度目の防衛戦を控え、16日に横浜市の所属ジムで練習を公開した。来年は3階級制覇を狙う意欲をみせ「今は30日しか頭にないですが、年が明けてどんな流れになるか。理想として来年はバンタム級でという思いがある」と明言し、V7戦をスーパーフライ級卒業マッチと位置付けた。

 当初は来年2月24日(日本時間25日)に同級の強豪を集めた興行「Superfly2」(米イングルウッド)への参戦を表明していた。ところが対戦交渉も大詰めに入っていた今月7日、IBF同級王者アンカハス(フィリピン)陣営から団体王座統一戦を断る連絡が入った。主催者から代替の対戦相手の提示があったものの、大橋会長は「格下相手ではやる意味がない」と出場を取りやめる意向だ。ここ数試合は挑戦者探しも難航している状況で、井上は「相手がいないならとどまる可能性は0%ですね」とキッパリ。来春にもバンタム級へ上げることになりそうだ。

 年末興行は4年連続の出陣となる。過去3回、すべてKO勝利で締めくくってきた自負がある。「毎年、年末はいい試合ばかりが続いている。結果的にKOで勝ちたいですね」。卒業にふさわしいインパクト十分のKO劇で17年を締めくくる覚悟だ。【藤中栄二】