新日本プロレスなどで“破壊王”として活躍した故橋本真也さんの長男、橋本大地(25)が、デビュー6年目で初めてのベルトを獲得した。セミファイナルで、6度目の防衛戦となる世界ストロングヘビー級王者鈴木秀樹に挑戦。エルボー合戦で形勢不利になるや、強烈な左ハイキックで鈴木をのけぞらせた。その後もハイキックを繰り出しリズムをつかむが、鈴木からその左足を攻撃されると、今度はけさ切りチョップで局面を打開。父親譲りの攻撃を繰り出し、最後は垂直落下式DDTで、14分45秒、勝利した。

 子どもの頃から父が取ったIWGPヘビー級ベルトなどを触っていたという橋本は「ベルトを巻くのは自分が取ってからにしようと思っていた。めっちゃうれしい」と、言葉を詰まらせ、涙ながらに話した。父がつくったゼロワンで11年3月にデビュー。結果が出せずIGF、大日本と渡り歩いた末、6年目でついに念願のベルトをつかんだ。「自分では納得がいかないところが多かったが、やっとベルトを巻いたからね。これから1つずつ、レベルアップしていきたい」と話した。

 父親の入場曲を使い、父親と同じワザを繰り出す橋本の口癖は「自分とおやじは別。自分がどういう見られ方をしているかは知っているが、橋本大地という個人を見てほしい」という。それでも「あの人が使っていたワザは自分でも使いやすいと思う。足を攻められ、ハイキックが使えなくなって、自然にけさ切りチョップを出していた」と話した。大日本に入り、意識が変わったという。「大神というコンビを組む、神谷(英慶)と出会い、自分の可能性を考えさせられた。自分の試合の前に、神谷が横浜ショッピングストリート6人タッグ王座のベルトを先に巻いた。自分も負けられないと思った」と話した。優勝インタビュー後は、先輩たちに祝福され、「おかげでベルトが取れました」と1人1人に頭を下げる大地の姿があった。