ボクシングのワタナベジムから、平成国際大コンビが3月にプロデビューする。20日に東京・後楽園ホールで、6回戦のB級プロテストに合格した。

 一昨年主将のライト級宇津木秀(23)と今春卒業のスーパーフライ級堤聖也(22)。ともにジムの先輩の元世界王者内山高志を尊敬し、出稽古でスパーリングしたこともある。その縁もあって今年入門した。

 宇津木はアマ81勝(23KO)27敗で、172センチの右ボクサーファイター。父の影響で中2から沼田ジムに通い、内山と同じ花咲徳栄では選抜2位、大学では全日本2位。1学年上が1人のために3年から2年間主将で「やりきった感があった」。卒業後は働きながらコーチになり、警察官の1次試験に合格したが「学生の戦っている姿や世界戦を見て刺激を受け、またやりたくなった」という。昨年12月の全日本社会人で初の優勝を節目に転向した。

 堤は84勝(40KO)17敗で、165センチのスイッチボクサー。「遊んでいるといつもケンカになってしまった」と、ルールがあるボクシングを熊本の本田ジムで始めた。九州学院で全国3位4回、大学では国体2位。やめるつもりだったが、同学年で勝てなかった田中恒成が世界王者、井上拓真も世界目前まで活躍。高校時代に2戦2勝の比嘉大吾も世界王者になり、「追いつき追い抜きたい」とプロを選んだ。

 ともにジムの大黒柱となった世界王者田口良一を指導する石原雄太トレーナーがつくことになった。2人は「目指すのは世界。3、4年でとりたい」と口をそろえる。宇津木は「(世界王者)村田さんのように中量級でも日本人が通じるところを見せたい」と言えば、堤は「アマらしくないスイッチはプロ向きでお客さんをわかせたい」。3月27日に後楽園ホールで、外国人相手にプロデビューする。