ボクシングの六島ジム(大阪市)は21日、WBOアジア太平洋フライ級王者坂本真宏(27=六島)の初防衛を4月1日、大阪・住吉区民センターで行うと発表した。

 坂本は大阪市立大工学部の現役大学院生という異色の肩書を持つ。挑戦者は同級5位ウィチャー・プーライカオ(タイ)で「王者としての自覚を持ってやっていきたい。勝って、次のチャンスにつなげていきたい」と抱負を語った。

 坂本はWBO同級世界ランク9位で、近い将来の世界挑戦を狙う。ターゲットはWBO世界フライ級王者木村翔。木村には16年11月にアジア太平洋王座決定戦で判定0-2と惜敗した。一時は就職を考えたが、木村が昨年7月28日に世界タイトルを獲得したニュースを聞き、ロボット工学関係の会社の内定を辞退した。

 「リベンジしたい思いを抑えて就活をしていましたが、木村選手が世界王座を奪って、自分の中で気持ちが弾けた」。またボクシングを始めた同大ボクシング部が部員数減少のため存続の危機にあるという。「僕が名前を売ることで、ボクシング部の力になれば」。大学院生ボクサーのモチベーションは高い。

 また同ジムはこの日、所属選手の東洋太平洋バンタム級王者マーク・ジョン・ヤップ(29)の3度目の防衛戦も発表。4月4日に東京・後楽園ホールで中嶋孝文の挑戦を受ける。こちらも世界挑戦を視野に入れており「(同ジムの)枝川会長に教わった技術、気持ちをしっかり出しきりたい」とタイトル保持に意欲を燃やした。