前王者ルイス・ネリ(23=メキシコ)が、挑戦者の山中慎介(35=帝拳)を2回TKOで退けた。

 2度の前日計量でリミット53・5キロを下回れず、王座を剥奪。当日の午後0時に58キロのリミットで計量が課せられ、57・5キロでようやくクリアした。そして「60キロで上がった」というリングで山中を破った。試合後、喜ぶネリ陣営には「早く帰れ!」と客席から怒号が飛んだ。引き揚げた控室では「オレたちはやったぞ」と大合唱。試合の映像を念入りに見返し「無敗記録を守れた。チャンピオンの座を失ったことは残念だが、勝てば再び戻ることができる」と勝利の喜びに浸った。

 物議を醸したウエートオーバーについて、まさかの持論も展開した。「初めての減量法で体が弱っていくのを感じていた。(当日計量後の)今日の正午から試合までの間に(ようやく)ちゃんと食べることができた。正午までは取りたい食事を取ることができなかった。そういった意味では山中選手は1回の(前日)計量でパスして、それからずっと体を回復させることができた。今回のフィジカル面でのメリットは山中選手にあったと思っている」と強弁。山中への気持ちを問われ「山中選手に対してというより、自分が今回使った減量方法がうまくいかなかったことは申し訳なかったと思っている」と答えた後「山中選手にも(申し訳ない気持ちが)あります」と付け加えるように言った。

 「日本人は親切だし、食事も大変口に合う。また日本で試合をしたい。今回のミスは2度と繰り返さない」と真顔で締めくくった。