ボクシングのダブル世界戦の前日計量が17日、試合会場のホテルで行われた。WBO世界ミニマム級王者山中竜也(22=真正)はリミットの47・6キロで一発パス。午前11時半に非公式で量った体重が400グラムオーバーだった挑戦者カジェロス(メキシコ)と対照的に、余裕の笑みを見せた。

 1日のWBCバンタム級タイトル戦では同国のネリが体重超過で王座を剥奪され、翌日の試合で元王者の山中慎介を圧倒した。約1時間半前の挑戦者の様子を聞いた山中竜は「気にしていなかった」と言ったが、不穏な空気が漂った。結局、カジェロスはミット打ちなどで汗を出し、下着も脱ぎ全裸になり、リミットでクリアした。

 山中にとっても最初の“危機”を乗り越えた。計量後は「鶏、豚、牛、うどんと全部入っていて、めちゃくちゃパワーが出る」という母理恵さん特製の鍋料理を食べることを楽しみにし、同時に目をぎらつかせた。「バッチリです。完璧。誰が見ても勝っているという試合で勝ちたい」。6人きょうだいの長男が、暴れ回って初防衛戦を目指す。【松本航】