全日本プロレスの創始者、故ジャイアント馬場さん(享年61)の夫人で同団体の社長も務めた馬場元子(ばば・もとこ)さんが14日、肝硬変のため亡くなった。全日本プロレスが23日に発表した。78歳だった。通夜・告別式は19、20日に親族のみで執り行われた。日本のプロレス界のスターとして一時代を築いた馬場さんを裏方で支えた。

 全日本プロレスの外国人トップレスラーとして活躍した「不沈艦」スタン・ハンセン氏(68)が22日(日本時間23日)、米コロラド州の自宅で馬場元子さんの死に心を痛め、深く悲しんだ。「馬場さん、元子さんとともに歩んだ一時代が終わった気持ちです。2人には大変、お世話になりましたから。とても悲しいです」と哀悼の意を表した。

 ハンセン氏が一番の思い出として挙げたのは01年1月、東京ドームで開催された「ジャイアント馬場三回忌追悼興行」での自身の引退セレモニー。異例の10カウントゴング、満員のドームに響いた「大ハンセンコール」、新日本プロレスの選手も出席するという特別な式典は、当時社長だった元子さんが用意してくれた。同氏は「家族まで招待してくれた立派な引退式典でした。感謝の念に堪えません」と言葉を詰まらせた。

 馬場さんの他界後、自ら社長として全日本を存続させた元子さんに向け「馬場さんの跡を継ぎ、全日本を守り抜いたことに敬意を表したい。天国で愛する馬場さんと再会し、ゆっくり語り合ってほしい」と願っていた。(デーブ・レイブル通信員)