王者田口良一(31=ワタナベ)が日本人初の統一王座防衛に失敗した。2階級制覇を狙ったIBF世界同級6位ヘッキー・ブドラー(30=南アフリカ)との対戦。前半ペースを握られ、12回にダウンを奪ったものの、ジャッジが3者とも1ポイント差で0-3の判定負けとなった。WBAは日本歴代6位タイの8度目の防衛がかっていた。

 初回から苦しい展開だった。田口はジャブをついていくが、ブドラーが積極的に前に出てきて、休まず手を出してきた。4回には左右ボディーの連打に後退し、コーナーに追い込まれるシーンもあった。

 田口は中盤からようやく反撃し、最終12回に田口が左フックでダウンさせた。レフェリーはスリップダウンと判定したが、その後は一方的に攻めたゴングとなった。採点集計途中にスリップは正式にダウンと訂正された。それでも1ポイント及ばなかった。

 田口は悔しさをにじませながら、素直に負けを認めた。判定になった時点で「負けていると思った。もうちょっとできたと思うが、負けを受け入れる」と話した。ジャブで先手をとるつもりだったが「逆にペースを握られた。ブドラーは老かいなテクニシャンでペース配分も埋まった。やはり実力者だった」とWBAミニマム級で5度防衛のキャリアに脱帽した。

 ブドラー陣営は「また日本で再戦しよう」と、わざわざ控室まで来て申し入れた。田口は「正直今は何も考えられない」と答えだけだった。「今回は1300人が入場券を買ってくれた。支えてくれたり、応援してくれた人に結果を出せず悔しい」と頭を下げた。