WBC世界ライトフライ級王者拳四朗(26=BMB)が3度目の防衛成功から一夜明けた26日、都内のホテルで会見を行い、さらなる知名度アップを誓った。“秘孔”を突く右ボディー1発の2回KOとあって当然ご機嫌だったが、同時に「まだまだですね」。前夜、試合後にショックなことがあったようだ。

 大田区総合体育館から祝勝会へ、JR蒲田駅から恵比寿駅まで電車で移動したが、誰も自分に声をかけてくれなかったという。

 「試合直後やし、ちょっとドキドキしてたんですけど」。一緒にいたジムの後輩が、わざとらしく「ボクシングで…」とか「拳四朗が…」とか、周りに聞こえるように声を出しても、周囲のリアクションはなし。とどめは祝勝会後、2次会に行く途中だった。

 某芸能人Aさんと一緒に歩いていると、行き違う人が気に留めるのはAさんばかり。Aさんのは自分の似顔絵入りTシャツを着ているのに、自分が「拳四朗」と気づく人はいなかった。

 「私服の僕は確かに、わかりにくいと思うんですが…。試合で体は傷つかんかったけど、心をだいぶやられました」。試合も2回KOだったが、直後に井上尚弥が1回KOをぶちかました。「本当にすげ~な~と思ったけど…僕、だいぶかすみましたもんね」。

 次戦4度目の防衛戦は時期、相手ともまだ白紙。父の寺地永会長は「できれば、今年中にV5を」と言う。いずれにしても、自分だけでなくダブル世界戦などに組み込まれる予定。会見後には、応援に駆けつけたボートレーサーのいとこ是沢孝宏(32)から「ケンちゃん、もっと(周りを)グッとつかんでいかんと」と励まされ「頑張りますわ」と気を取り直していた。