同級1位の船井龍一(32=ワタナベ)が新王者となった。世界挑戦経験もあるフィリピン人の同級3位ワルリト・パレナス(34=森岡)と同王座を争い、8回2分55秒、KO勝ちをおさめた。

 両目周辺のカットで流血するアクシデントも強打ではね返した。6回に相手パンチで右目上、バッティングで左目上をカット。流れる血で視界が狭まりながらも、序盤からコツコツ当ててきたボディーブローでスタミナを失ったパレナスを攻め込み、8回、左右のボディーブローからの右ストレートでダウンを奪取。「カットした瞬間はヤバイと思いました。これは本当に良い経験」と安堵(あんど)の笑み。日本同級王座に続く、2本目のベルトを手にした。

 今年1月に日本王座を返上し「試合が決まらなくてモチベーションを保つのが大変でした」と振り返る。区切りの30勝目を挙げた32歳が掲げる目標=世界王座の奪取だけを頭に浮かべ、パレナス戦に集中したという。渡辺均会長は「大みそかに世界戦を組むことができれば」と期待を寄せていた。