プロボクシングWBC世界バンタム級9位井上拓真(22=大橋)が9月11日、東京・後楽園ホールで、同級3位マーク・ジョン・ヤップ(29=六島)と同級王座の指名挑戦者決定戦(12回戦)に臨むことが21日、発表された。東洋太平洋同級王者でもあるヤップと世界切符を懸けて拳を交えることが決まり「ランキングも上ですし、日本の強豪と対戦している。過去最強の相手ですが、世界に向けてつまずいていられない」と気持ちを引き締めた。

 3階級制覇王者で現WBA世界同級王者の兄尚弥(25=大橋)と同じ階級で世界王座を狙うため「少しだけ複雑」としながらも「小さい頃からの夢ですし、兄弟チャンピオンになりたいと思います」と強調した。

 井上は16年末に1度、世界挑戦が決まりながらも同年11月の練習中に右拳を痛め、右手の甲と手首をつなぐ関節の脱臼部分を手術を受けた。17年8月に試合復帰し、4度の世界挑戦を経験する久高寛之(仲里)、同12月には元日本バンタム級王者益田健太郎(新日本木村)に判定勝ちをおさめた。約2年かけて再び世界挑戦のチャンスをつかもうとしている井上は「ここまできたらあっという間の気持ちもある。強豪をぶつけていただいて精神的にも技術的にもレベルアップしていると思う。一層、自信はあります」とキッパリ。会見後には兄尚弥との軽めの兄弟スパーリングにも取り組むなど、着々と準備を進めていた。