IWGPヘビー級王者ケニー・オメガ(34)が、昨年の優勝決定戦と同カードとなった内藤哲也(36)との初戦を制した。速さとパワーが絡み合う熱戦は、互いの得意技に大胆な返し技を見舞う展開。息もつかせぬ攻防の末、首を固めて頭からマットにたたきつける決め技「片翼の天使」で昨年敗れた雪辱を果たした。18年ぶりのヘビー級王者のG1制覇へ、最高のスタートを切った。

 めまぐるしく入れ替わる攻防の連続。開幕カードにして、いきなりの熱戦に会場の温度も急上昇した。オメガの片翼の天使、内藤のデスティーノ。互いに仕掛け合うも、逆に大技で返し合う。一息つく暇もない応酬の末、オメガがたぐり寄せた白星。デスティーノを変形ツームストンパイルドライバーで返す驚異の力業を突き刺し、最後は片翼の天使でマットに沈めた。

 昨年敗れたリベンジに成功。「ナイトウさん、進化してないのが残念ですね! でもさあ、来年もG1あるから、精いっぱい頑張れば、この会社の3番くらいになると思います」と日本語のマイクアピールで挑発してみせた。自身は6月にオカダを倒し、IWGPヘビー級ベルトを手にした。1年間の進化の度合いを強調するように見下した。

 団体随一の人気を誇る内藤も倒し、新日本の顔と自負する立場に説得力を持たせた。「日本語でマイクアピールするのが、ちょっと楽しい」と笑う王者の勢いは止まりそうにない。