Aブロック公式戦で、前IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(30)が、真壁刀義を下し、2勝目を挙げ、勝敗を五分に戻した。準地元の真壁相手に完全アウェー状態も、今G1からの必勝パターンで勝利した。

 真壁の前で、オカダの体がクルリと1回転した。一瞬の間に戸惑う相手に、豪快なラリアット。倒れた真壁の腕をつかみ、今度は真壁をクルリと回転させて、こん身のレインメーカーを打ち込んだ。今G1初勝利を挙げたペイジ戦で初めて見せた必勝パターンで、オカダが貴重な2勝目をものにした。

 勝利のあとのマイクパフォーマンスでは、うなり声を上げたと思うと、突然「2勝目で~す」と軽いノリで話しだした。固唾(かたず)をのんで見守る観客に「何もしゃべることないんで」と肩透かし。IWGPヘビー級王座を守り続けていたころの、絶対王者の厳しさは消えていた。

 インタビュールームではいきなり座り込んだ。激闘に肩で息をしていた。「G1で2勝目。それも地元で知名度クライマックス1位の真壁に勝った。オレは2位だけど。本当に楽しい。楽しくやって結果も出ている」と、真っ赤に染めた髪の毛のように、明るく振る舞った。

 6月の大阪城ホール大会で、IWGPヘビー級王座から陥落した。その後、このG1の第2戦まで5試合も勝てない状況が続いていた。しかし、オカダの心が折れたわけではなかった。来年1月4日の東京ドーム大会で、オカダがもっともこだわるメインを張るために、このG1で優勝するしかない。「最初の2敗は痛いけど、それであきらめたわけではない。あと残り5試合を勝って、『オカダ頭おかしくなって終わり』と言われたくないからね」。オカダは4年ぶりの優勝をしっかり見据えている。【桝田朗】