女子スーパーアトム級GP初代女王の浅倉カンナ(20=パラエストラ松戸)が“ツヨカワクイーン“RENA(27=シーザージム)を返り討ちにした。昨年末のGP決勝の再戦となったメインカードで、5分3回のフルラウンドを戦い抜き、3-0の判定勝ちを収めた。

 初回から打撃を恐れずにタックルを仕掛けた。極めきれない展開にも焦れることなく、上からパンチを見舞って勝機を探った。2回には非情宣言していたRENAの肘攻撃などにも耐えた。最終3回には逆に肘を返すなど強気も見せ、3回ともに上からの攻撃で有利に進めた。

 勝利後のリングでは「自分の強くなるスピードより、RENAさんの強くなるスピードが速くて、今日の試合はすごく焦った」と本音を語った。「やりづらかったですが、しっかり切り替えてできたと思う。RENA選手はあこがれですが、でも越えなきゃいけないと思って、今日の試合は複雑だったんですけど、勝てたのでもっと上でやり合えるように、壁を乗り越えたい」と誓った。

 27日のインタビューでは「共闘」を掲げていた。このほど交際が明らかになったRISE世界フェザー級王者の“神童”那須川天心について、「声が聞こえるところにはいてほしい」と試合中の生助言を求めていた。交際期間1年半、互いに日本の格闘技界の最前線で戦う者同士、刺激をしあってきた。この日もリングサイドから声をかけられ、2人で成長してきた姿を会場のファンに証明した。

 5月の福岡大会では勝利後のリングにRENAが登場し、再戦要求した際には戸惑いもあった。「福岡の時は自分の勝ち方も良くなかった。もじもじしてしまった。いまはもう1回勝てばいいと思ってます」と気持ちは固まっていた。

 打撃得意の相手に対し、「打撃は今回の試合に向けてより、今後にむけての練習をした。今回の試合に生きればいい。打ち合い? それで負けるというイメージもあったりする。そこは冷静に戦っていきたい」と試合に臨んでいた。しっかりとパンチ、キックを見極め、判定勝ちにつなげた。