「戦うシングルマザー」で知られる同級1位吉田実代(30=EBISU K.s BOX)が王座獲得した。

 同級2位グレテル・デパズ(25=フィリピン)と王座を争い、1回は連打で攻め込まれたものの、2回中盤以降はボディーブローや右ストレートを軸に反撃。3回からは何度もロープ際に追い込み続け、4回終了時の採点でリード。続く5回に偶然のバッティングで前頭部をカットして流血。ドクターストップで、同回1分39秒、負傷判定でベルト奪取に成功した。試合終了後、顔まで血が流れ、驚いて泣いてしまった愛娘の実衣菜ちゃん(3)を抱きかかえ、勝利を喜んだ。

 日本女子同級王座も保持しており、これで2本目のベルト獲得となる。吉田は「ふがいない試合をしてしまった。もっと王者らしい試合ができるように頑張りたい。最低条件の勝つことができてほっとしている」と謙虚に話した。既に9月30日には生まれ故郷の鹿児島県で次戦が決定済み。3度目となる凱旋(がいせん)試合は、日本、東洋太平洋の2本のベルトを持参することになる。前頭部をカットして約1カ月強後の試合となるが、加山利治会長(46)は「大丈夫だと思います」と軽傷を強調。吉田自らも「4回戦の頃は短い期間で試合していたのでやれます。2本のベルトを持っていけてうれしい」と意欲を示した。