昭和プロレスの「過激な仕掛け人」として、新日本プロレスなどで活躍した新間寿・リアルジャパン会長(83)が13日、都内で会見し、20日の原点回帰・後楽園大会を最後にプロレス界から引退すると発表した。

新間氏は「9月20日をもってプロレス界から身を引きます。あとは若い人たちに任せ、佐山さん(初代タイガーマスク)と、いじめ撲滅など社会活動を一緒にやっていこうと思います」と話した。

中大時代の54年に力道山の日本プロレスに練習生として通いプロレス界に足を踏み入れた。新日本では専務取締役営業本部長としてアントニオ猪木とムハマド・アリの異種格闘技戦を実現させ、タイガーマスクを誕生させ、黄金時代を築くなど、らつ腕を振るった。3年前に、佐山サトルに請われ、リアルジャパンの会長に就任。昨年からは、プロデューサーとして「原点回帰」大会を引っ張ってきた。

今年に入り体調を崩し、息子である寿恒氏が同団体に加入したことなどで、一線から身を引くことを考えたという。「大鵬3世が入ってきたときに、もう1回、育てたいと思ったけどね。そういう気力がなくなってきた」と心残りを話した。

突然の発表に、同団体の平井社長は「まだまだ、団体で活躍してほしい。(引退は)絶対阻止したい」と困惑気味に話していた。

20日の後楽園大会では、新間氏が所有する猪木VSアリ戦のポスター30枚や、いじめ撲滅キャンペーンポスター20枚を、ボール投げでボールをキャッチした観客にプレゼントするという。