ボクシング日本王座挑戦者決定戦の前日計量が11日に都内で行われた。スーパーライト級は1位井上浩樹(25=大橋)、2位マーカス・スミス(33=平仲BS)ともリミットの63・5キロでパスした。

井上は11勝(10KO)、スミスは6勝(6KO)1分とKO率の高い、無敗のサウスポー対決となる。勝者は来春の日本王者細川バレンタイン(27=角海老宝石)への挑戦権を得る。

井上はいとこの井上兄弟の後を追って、15年大みそかにプロデビューした。約2年半でようやく初のタイトル挑戦が見えてきた。「長かったが、それは仕方がない。これを勝たないと次へ進まない。この試合に集中していきたい」と話した。相手に関しては「パワーがあり、柔軟でバネは独特」と分析し、「特に前半にくるので、そこは注意したい。いなしていきたい」という作戦だ。

世界王者井上尚弥の日本人世界最短の70秒KO防衛はリングサイドで見た。「距離はあって苦労するかと思ったが、さすがの踏み込み。すごい刺激になった」。普段は3人で遊ぶ仲だが「技術よりも練習への姿勢、集中力。オンとオフの使い分けがうまい」と精神面で学ぶことが多い。「2人に少しで追いつけるように」と、デビュー12連勝を目指す。

スミスは再計量でパスした。沖縄の自宅でヘルスメーターに乗ると余裕があり、移動で動くことから機中で弁当を食べた。東京に着いて体重超過が判明し、宿舎で減量して計量時間10分前に到着。最初の計量は100グラムオーバーで、トイレに行ってから再計量でパスした。平仲会長は周囲に平謝り。スミスは「いい試合をして、勝って、また東京にくる」と平然とした顔で話していた。