WBA世界バンタム級王者井上尚弥(25=大橋)が準決勝進出を決めたワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)の別ブロック1回戦となるWBO世界同級タイトルマッチは13日(日本時間14日早朝)、ロシア・エカテリンブルクで開催される。

12日には同地で前日計量が開かれ、王者ゾラニ・テテ(30=南アフリカ)はリミット(53・5キロ)よりも700グラム軽い52・8キロでパス、挑戦者となる同級6位ミーシャ・アロイヤン(30=ロシア)も300グラム少ない53・2キロでクリアした。両者は軽く抱き合った後、10秒ほどにらみ合いを展開。最後はグータッチして健闘を誓い合った。

14年7月に来日したテテは神戸で帝里木下(千里馬神戸)とのIBF世界スーパーフライ級王座決定戦に勝利。英国を中心に防衛戦を重ねており、敵地のロシアであっても余裕の笑み。「王座を手放すことは決してない。常にタイトル保持だよ」と豪語する。

アロイアンはアマチュア時代、世界選手権優勝、ロンドン五輪胴メダルでなど経験豊富だが、王者は「確かに彼はアマ経験豊富だろうが、背が高く厄介な、動きの滑らかなサウスポーに直面することになるだろう」と風格さえ漂わせた。

一方のアロイヤンは「プロ5戦目だが、アマチュアでたくさんの経験をしてきた。WBSSの戦いは大きなチャンス。トロフィーをつかむことが私のゴール」と口にしていた。