ボクシングで50戦無敗の元5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(41=米国)、が、大みそかにさいたまスーパーアリーナで開催される総合格闘技RIZIN.14に参戦し、デビュー32連勝を飾ったキックボクシング界の“神童”那須川天心(20)と対戦することが5日、都内で行われた会見で発表された。

RIZINの榊原信行実行委員長は、メイウェザーと那須川が対戦する形式について、打撃から投げ技、寝技まで認められるMMA(総合格闘技)ルールではなく、立ち技のみの異種格闘技戦として行う考えを明らかにした。

榊原実行委員長は会見後、囲み取材に応じ「いずれにしてもMMAでやることはないと思います。スペシャルスタンディングバウトになることは間違いない」と明言した。その1つの理由として、メイウェザーと那須川が日本のプロボクサーのライセンス、RIZINはコミッショナーのライセンスを持っていないことを指摘。「ボクシングはシューズを履いていないだけでも、ボクシングじゃない。天心がボクシングシューズを履いてやるのは、ちょっと考えにくい」と語った。

またルールについては、立ち技のみとしても、殴ること1つ取っても「バックブロー、裏拳はボクシングにはない」と検討の余地があることを明言。蹴りについても「1回に5回蹴らせろ、3回ならいいとか、どこに落としどころを作ればいいか分からない」と今後に、まだまだ話し合う余地が多いことをのぞかせた。

会見では、両者のウエート差がポイントの1つとなった。メイウェザーがスーパーウエルター級(69・85キロ)を主戦とする一方、那須川は9月30日に堀口恭司と対戦した際はキックルール58キロ契約で戦っており、ボクシングではフェザー級(57・15キロ)からスーパーフェザー級(58・97キロ)の間の体重で、両者にはボクシングでは4~5階級の差がある。

榊原実行委員長は、メイウェザーについては陣営から「落としても145ポンド…65・7キロにいけるのかどうか」と話があったとした。その点を踏まえ、ボクシングの階級で考えると、66・68キロが上限のウエルター級が最下限になりそうとの見方を示した。

一方、那須川については「上げても61キロ。最終的に」と、61・24キロ上限のライト級が最上限とした。その上で「天心は当然、少しでもメイウェザーに体重を落として欲しい。(ウエート差は)5キロくらいになると思う」と語った。【村上幸将】