プロレスラーで全日本、ノアなどで活躍した森嶋猛容疑者(40=フリー)が、4日に東京・新宿の歌舞伎町の路上でタクシー運転手を殴りケガをさせたとして現行犯逮捕されていたことが5日、分かった。

警視庁新宿署によると、森嶋容疑者は4日の午後11時半ごろ、歌舞伎町の路上で、タクシーを降りる際に、料金1万8000円の支払を拒否。運賃が高いと50代男性の運転手と口論になり、顔面を殴り頬骨を骨折させたとして傷害の疑いで逮捕された。森嶋容疑者はタクシーに1人で乗り、都内を移動後、再び歌舞伎町に戻ったところだった。酒は飲んでいなかったという。「押し問答になったことは間違いありません」と容疑を認めている。

森嶋容疑者は、98年に全日本プロレスへ入門し3月にデビュー。付け人を務めた故三沢光晴さんとともにノアに移籍し、190センチ、125キロの巨体を生かした豪快なプロレスで人気を集めた。08年3月の日本武道館大会で三沢さんを破り、GHCヘビー級王座を初めて獲得。09年には取締役選手会長も務めた。

三沢さん亡き後は、同期の丸藤正道らとノアをもり立ててきたが、15年4月に糖尿病を理由に突然、引退を発表。同年9月に予定されていた大阪での引退試合を延期したまま、同年12月をもってノアを退団していた。7月10日のパワーホール後楽園大会に現れ、10月15日の後楽園大会での復活を宣言。しかし、練習中のケガで9月14日に中止を発表していた。

◆森嶋猛(もりしま・たけし)1978年(昭53)10月15日生まれ。東京都江戸川区出身。東京学館浦安高で柔道部に所属した縁で、三沢さんのいた全日本プロレスに入団。98年3月に志賀賢太郎戦でデビュー。00年6月にノア移籍。02年2月に力皇とのコンビでGHCタッグ王座を獲得。GHCヘビー級王座は、08年の初戴冠以来3度獲得。15年4月に引退発表し、引退試合を行わないまま、同年12月にノアを退団。190センチ、125キロ。得意技はバックドロップ。