ボクシングの5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(41=米国)が8日、5日に発表された総合格闘技イベント「RIZIN14」(12月31日、さいたまスーパーアリーナ)での那須川天心(20)との試合を中止する意向を表明した。

<メイウェザー過去の言動>

49連勝のまま15年9月に2度目の引退を表明した後のメイウェザーの言動は日々変化し、世間を騒がせてきた。同年春ごろからSNSなどでUFC2階級同時制覇王者コナー・マクレガー(アイルランド)から挑発を受けた。当初は消極的な態度を示したが、1年後には両者が対戦するような合成写真を自らSNSに投稿。同秋に対戦交渉は破談になったと発言したものの、最終的には17年8月に対戦は実現した。

2年近くの「やる」「やらない」は周囲や関係者を右往左往させながらも、ファンの妄想をかき立てた。結果的にメイウェザーは1試合で1億ドル(約110億円)を得た。マクレガー戦後に3度目の引退を表明したが、その舌の根も乾かぬうちに今年から総合格闘技参戦を示唆する写真やコメントを次々とSNSで発信。総合格闘技の練習開始、選手ライセンス申請を米メディアに語った。

記憶に新しいのは今年9月。来日中にライバルの6階級制覇王者マニー・パッキャオ(フィリピン)との再会を受け「俺はパッキャオと年内に対戦するために復帰する」とSNSで発信したが、その翌日には日本で19年に復帰戦を行うというだけの会見を開いた。その直後、一部米メディアでメイウェザーが格闘家と東京で大みそかに試合する計画も報じられた。

メイウェザーの言動は日によって変わる。今回も、その真意を周囲は測りかねているのではないだろうか。【藤中栄二】