ボクシングWBA世界バンタム級王者井上尚弥(25=大橋)が18日、茨城・水戸桜ノ牧高常北校で開催されたボクシング全日本選手権最終日にテレビ生中継の解説を務めた。

新体制ではプロアマの垣根が撤廃され、今回、井上にアマ解説のオファーが届き「うれしかった。自分が育った全日本の解説ができるなんて」と歓迎した。プロの解説は経験済みだが、アマの解説は初体験。17日の準決勝から視察し、選手の技術面を中心にコメントした。

特にフライ級で優勝した柏崎刀翔(福井県連盟)、同級準優勝の田中亮明(中京学院大付中京高教)ら井上のアマチュア時代に戦った選手らがいることに「自分のアマチュア時代にやってきた選手が、今もトップでやっているのはうれしく思います。また東京オリンピック(五輪)に出られるとなればうれしいです」とエールを送った。

現在はプロ選手の五輪出場が認められているため、アマチュア再挑戦の質問も受けた井上は「また、それは同じボクシングでも戦い方も違ってくる。今すぐは無理。それに向けた対応をしないと」と一定の準備期間が必要であることを口にした。プロとアマを陸上競技に例え、12回で戦うプロを「長距離」、3回のアマチュアを「短距離」と表現。井上は「今は1回から前半はスロースタートという練習をしているので。アマチュアは相当ハイテンポですから」と難しさを強調していた。