ボクシングのWBA世界バンタム級王者井上尚弥(25=大橋)が、日本人ボクサーで初めて1922年創刊の米老舗ボクシング雑誌「ザ・リング」の単独表紙を飾ることが27日、発表された。

過去には統一ヘビー級王者マイク・タイソン(米国)をはじめ、6階級制覇王者マニー・パッキャオ(フィリピン)、50戦全勝の元5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(米国)ら世界に名をとどろかせた人気ボクサーたちが飾ってきた単独表紙に指名。同日、横浜市の所属ジムで会見し「世界最速」で表紙も公開された。

井上は「日本人チャンピオンとして1つ抜けたステージに行きたいと思っていたので、うれしく思います」と声を弾ませながら素直に喜びを表現した。

ザ・リング誌では世界主要4団体(WBA、WBC、WBO、IBF)を超越した各階級のランキング、そして階級を超越した最強選手の指標となるパウンド・フォー・パウンド(PFP)ランキングを定期的に選定。同誌のランキングは世界中から注目されている。現在PFP6位にランクされる井上は「来年はWBSS(ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ)で優勝して、(PFP)5位以内に入りたいですね」と目標を掲げた。

ザ・リング誌のタグ・フィッシャー編集長は「今までに日本は多くの世界王者を輩出してきましたが、1922年に創刊されて以来、日本国籍の選手がリングマガジンの表紙を飾るのは今回が初めてのことになります」と強調した上で「井上選手は表紙を飾る初の日本人ということ以上に、世界中に認知されるべき偉大なチャンピオンです。WBSSでの優勝を願うとともに、これからもスターとして輝き続けて欲しいと願っています」とのエールをコメントで寄せた。

米国、カナダ、英国などを中心に販売されている同誌は、独自で認定したザ・リング誌ベルトも世界王者に贈呈している。井上は「リング誌ベルトは渋いですよね。今回、表紙になって、これから取れたらうれしいですよね」とも口にした。