WBAスーパー、WBC世界ミドル級王者サウル・アルバレス(28=メキシコ)が3階級制覇を成し遂げた。2団体のミドル級王座を保持したまま、1階級上となるWBA世界スーパーミドル級正規王者ロッキー・フィールディング(31=英国)に挑戦し、3回2分38秒、TKO勝利を収めた。

身長で12センチも高い王者に対し、挑戦者のアルバレスは初回、2回と強烈な左ボディーブローでダウンを奪取。3回にはコーナーに追い詰め、右ストレートで王者の左ひざをキャンバスにつかせた。何とか立ち上がったフィールディングには、容赦ない左アッパーからの左ボディーをねじ込んで4度目のダウンを奪い、レフェリーストップ勝ちとなった。

「ボディー狙いが有効なことは分かっていた」と胸を張ったアルバレスは「ボディーにパンチを入れた時には効果的だと感じた」と手応え十分なKO劇だった。今年9月、39戦無敗の2団体統一王者だったゲンナジー・ゴロフキン(37=カザフスタン)を判定で下し、トップスターの地位を確固たるものにした。今回の世界戦を中継した動画配信サービスDAZNとは、11試合で3億6500万ドル(約401億5000万円)という大型契約。しかも初めてボクシングの殿堂となるMSG進出だったこともあり「ここで王座を獲得できて幸せだ。ここで試合する経験はグレートなものだし、誇りに思う」と口にした。

アルバレスと契約する米プロモート大手ゴールデンボーイプロモーションのオスカー・デラホーヤ氏は「ミドル級かスーパーミドル級で、来年5月4日、(米ラスベガス)T-モバイルアリーナで次戦を組んでいる」と明かした。ゴロフキンとの3度目の対決もうわさされ、アルバレスも「もし人々が望むのなら」と否定しなかった。次戦には大きな注目が集まる。