大みそかに中国マカオでのWBO世界スーパーフライ級王座決定戦で、日本選手初の世界4階級制覇に挑む同級3位井岡一翔(29)が27日、現地で練習を公開した。同級1位ドニー・ニエテス(36=フィリピン)との戦いに向け「大きな目標を達成して、新たな歴史を作りたい」と意欲を語った。

日本ボクシング界初の偉業を狙う意欲だけでなく、個人的にも大きなモチベーションがある。サッカー日本代表で浦和レッズDF槙野智章(31)が前日26日、都内で女優高梨臨(30)と挙式・披露宴を行った。「式に呼ばれたんです。でも、僕はマカオ入りした後になるんで…」。5年来の友人で、互いが会場まで応援に出向くほど親交が深い。トレーニング法を教え合ったりもする。「互いに刺激を与える関係」と言い、今回は式に出席できなかったが「大みそかに僕が勝つことで、お祝いにしたい」とメッセージを送った。

ニエテス戦は“結婚祝い”にふさわしいグレードがある。ミニマム、ライトフライ(いずれもWBO)フライ(IBF)と自分と同じ階級で世界をとった“世界3階級覇者対決”だ。「駆け引きが重要になる。ディフェンスがすごくいい選手。パンチを当てさせずに当てる、すごく難しい展開になると思うけど、頭を使ってやる」。世界3階級覇者ホルヘ・リナレスら20人近い世界王者を手がけた名伯楽イスマエル・サラストレーナー(61)と、9月の復帰戦前から7年ぶりにコンビを復活させ、緻密な対策を練ってきた。

大みそかのファイトは2年ぶり7度目。「4階級制覇は復帰した時の大きな目標。海外で挑戦するために復帰したので、今回はそれを達成して、来年につなげたい」。友への結婚祝いと同時に、新たなビクトリーロードの出発点にするつもりだ。