IBF世界スーパーバンダム級10位高橋竜平(28=横浜光)が聖地で世界初挑戦に失敗した。3回に同級王者TJ・ドヘニー(32=アイルランド)の連打にダウンを喫する。中盤から反撃も流れは変わらずレフェリーにストップされ、11回2分18秒TKO負け。マディソンスクエアガーデンで日本人初の世界戦も壁は厚かった。昨年に岩佐(セレス)から王座奪取のドヘニーは初防衛となった。

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高橋は初回でペースを握られ、2回はバッティングで両者が眉間から流血した。3回には右ストレートを浴びてクリンチも、左フック3連発にダウンした。石井会長の「スロースタートで3回までがカギ」の懸念が的中してしまった。

中盤から運動量を生かし、スイッチも駆使した。手数も出すが王者のうまさに空転し、的確なパンチをもらう展開は変わらず。ついに試合を止められた。「きりないくらい課題が残った。不細工な試合で、完璧に実力の差」と苦笑いした。

昨年12月の米国合宿中にオファーされたが、正式決定は1週間前だった。東洋大ではレギュラー外でプロデビューは1回TKO負け。日本や東洋太平洋王座挑戦もない無名から、日本人として9年ぶりの聖地での試合。「もう1度立ちたい」という世界戦は日本人初の晴れ舞台も、番狂わせは起こせなかった。