日本伝統の「勝色」をまとって勝つ。ボクシングWBO世界スーパーウエルター級3位の井上岳志(29=ワールド)が20日、26日に米ヒューストンで行われる同級王者ハイメ・ムンギア(22=メキシコ)との世界戦に向け、成田空港から出発した。

初の世界挑戦に向け新調したパンツに取り入れたのは日本の伝統色「勝色」。かつて武士が好んで使用した深く濃い藍色で、18年サッカーW杯ロシア大会で日本代表ユニホームでも取り入れられた。「もともと紺が好きだし、勝色と言われているので」と井上。白、紺を基調としたパンツとシューズに身を包み、同級日本人38年ぶりのベルトを狙う。

この日はサプライズで訪れたジム仲間6人に激励され、さらに士気も高まった。減量はあと2・5キロと順調で、時差対策も万全。「今までの試合以上に最高のパフォーマンスを作ってきた。(斎田)会長も勝てると言ってくれている。最善を尽くしたい」と自信に満ちた表情で米国へと旅立った。