ボクシング前WBO世界フライ級王者木村翔(30)が所属する青木ジムが年内にも活動休止(休会)することが24日、濃厚となった。今月に入って一部でコンプライアンスの問題が浮上。ジム関係者によれば、今回の事態に対して有吉将之会長(45)が責任を痛感しており、近日中にもジムの方向性について決断するという。ジム休会となれば、木村ら所属選手は他ジムに移籍しなければ試合ができない状況となる。

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男女の世界王者を輩出した歴史ある名門ジムが、活動停止に追い込まれる見通しとなった。今月に入って青木ジム内でコンプライアンスの問題が浮上し、有吉会長が調査を続けてきた。反社会的勢力の問題ではないものの、同会長はジムを統括する立場としての責任を重く感じており、近日中に休会を含めたジムの方向性について決断をするものとみられる。

ジム休会となれば、前WBO世界フライ級王者木村ら所属ボクサーは試合ができない状態に陥る。そのため、有吉会長が各選手の意向をヒアリングした上で、ジム移籍をバックアップする流れになりそうだ。特に世界2階級制覇を目指し、5月に中国でWBA世界ライトフライ級王者カルロス・カサレス(ベネズエラ)に挑戦して敗れた木村は現役続行を希望。先月から約3カ月の予定で海外修行に出ているが、ジムの方向性が決まり次第、移籍を迫られることになる。

有吉会長は自ら理事を務めている東日本ボクシング協会と日本プロボクシング協会をはじめ、統括団体となる日本ボクシングコミッションにも現状報告している。近日中にジム休会の決断をした場合、両協会理事も辞任する意向だ。青木ジムでは08年に小関桃がWBC女子世界アトム級王座を獲得し、国内記録を更新する17度の防衛に成功。17年には木村が、五輪連覇のWBO世界フライ級王者鄒市明(中国)に敵地で挑戦して勝利。男女の世界王者を育成した有吉会長の手腕が評価されていた。