ボクシング5階級制覇王者のWBA世界バンタム級スーパー王者ノニト・ドネア(36=フィリピン)がクールな姿勢で、3階級制覇王者のWBA・IBF世界同級王者井上尚弥(26=大橋)との決戦に備えた。11月7日、さいたまスーパーアリーナでのワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)決勝に備えた4日、都内のホテルで井上尚とともに予備検診に臨んだ。ドクターチェックでは両者ともに異常はなかった。

数々のビッグマッチを戦ってきたオーラを漂わせたドネアは「このスポーツを長きにわたりやってきて、闘争心をむき出しにするのはリングだけ。このリラックス状態が『素』の自分自身です」と余裕の表情。身長で5・7センチ、リーチで3・0センチも井上尚よりも上回っているものの「そういった体格、フィジカル面のことはいつも気にしていない。昨日のカネロ(アルバレス)-コバレフ(のWBO世界ライトヘビー級タイトルマッチ)を見たが、身長や体格が関係ないことを表している」と自身のアドバンテージとは考えていないようだ。

日本での試合は初めてだが、何度も来日しているドネア。アウェーの感覚もなく「今はエキサイティングな気持ち」と、井上尚とのバンタム級頂上決戦を楽しみに待っていた。