最強王者の対談が実現した。来年1月4日にタイトル防衛に挑む新日本プロレスのIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(32)が角界トップに君臨する横綱白鵬(34)と初対談。王者としての共通点や使命、今後の夢などを大いに語り合った。オカダは「1・4」の飯伏幸太(37)との防衛戦に向け、大横綱からパワーをもらった。【取材・構成=高田文太、高場泉穂】

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取材後記 1・4の前に、オカダにまさかのピンチが訪れた。2ショット撮影の最中、白鵬が「ちょっと持ってみてもいいですか」とオカダが持つIWGPヘビー級ベルトに興味を示した。肩にかけてみると着物姿にもかかわらず、しっくりくる。私たち取材陣からも思わず「おぉー」と声があがるほどだった。

横綱もかなり気に入った様子で、しばらく肩にかけた後にやっと返却。オカダは「もう取り返せないかと思った…」と本気とも冗談ともつかぬ様子で笑った。

約1時間の対談は、引退や家族のこと、話題は多岐に及んだ。中でも印象深かったのはオカダが王者の寂しさを明かした場面だった。オカダが“打倒オカダ”と掲げる選手の方が応援されることに「寂しいですけどね、正直」。さらに「優勝して、わーってなるのは最初だけ。その後は勝ち続けたらおもしろくない、みたいになる」と話すと、白鵬は「特別なんだよ、こういう人は」と慰めるように合いの手を入れた。

王者にしか感じられない寂しさを理解し合えるからこそ、対談では本音が次々と出てきたのだろう。2人は、今度は酒を酌み交わしながら語ろうと約束をかわしていた。王者としてのプライドを再確認したオカダがドームでどんな姿を見せるのか。あと数日、楽しみに待ちたい。【プロレス担当・高場泉穂】