約2年1カ月ぶりにリング復帰するボクシングWBA世界ウエルター級休養王者マニー・パッキャオ(42=フィリピン)が20日(日本時間21日)、米ラスベガスで前日計量に臨んだ。21日(同22日)に同地のT-モバイルアリーナでWBA同級スーパー王者ヨルデニス・ウガス(35=キューバ)との統一戦を控え、両者そろって計量会場に登場。パッキャオは146ポンド(約66・2キロ)、対するウガスはリミット147ポンド(約66・6キロ)でクリアした。パッキャオは「明日はベストを尽くし、最高の試合をファンや母国の人々のために勝利を届ける」と誓った。

米専門メディアからはパッキャオが来年のフィリピン大統領選挙への出馬を検討しており、ウガス戦は「ラストファイトになる」と報じられている。既に母国で上院議員を務め、貧困に悩む人々への資金提供、慈善活動への寄付を続けてきた6階級制覇王者は「後にパッキャオが40~50年後、リング内の素晴らしいボクサーの1人であるとともに、人々を助け、良い人間であることを覚えていてもらいたい。リング外でお互いの愛を示すべき。それが心の願い」。こう発言するパッキャオの王座統一が、大統領選挙への大きなアピールになるとの見方もある。

19年7月、当時のスーパー王者サーマン(米国)を判定で下して王座統一して以来のリングとなる。ブランクが影響し、自らは休養王者となったWBA同級にはスーパー王者、正規王者が誕生した。今回はウガスに挑戦する形となったパッキャオは「私の称号はウガスに与えられた。それは王者になる方法ではなく、リングで勝つことによって獲得するもの。王座を争うことが王者となる適切な方法」と“真の王者”を決める覚悟を示していた。