新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の急拡大が、日本ボクシング界にも直撃した。史上最大のビッグマッチだったWBA世界ミドル級スーパー王者村田諒太(35=帝拳)とIBF世界同級王者ゲンナジー・ゴロフキン(39=カザフスタン)の王座統一戦(29日、さいたまスーパーアリーナ)が来春に延期されると3日、発表された。WBO世界スーパーフライ級王者井岡一翔(32=志成)が31日に臨むIBF同級王者ジェルウィン・アンカハス(29=フィリピン)との王座統一戦(東京・大田区総合体育館)の中止も同日発表されるなど、計3つの世界戦が影響を受けた。

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世界4階級制覇王者の井岡が国内初となる2階級での王座統一を狙う注目マッチは中止が決まった。31日にWBO世界スーパーフライ級王者として、9度防衛に成功中のIBF世界同級王者アンカハスとの王座統一戦に臨む予定だったが、同日に所属ジムから中止が発表された。

政府による外国人の新規入国停止の方針に加え、変異株「オミクロン株」のコロナ陽性者が国内で確認されたことも踏まえ「感染対策強化を優先させ、大会中止を決定しました」と声明を出した。今回は中止となったものの、両陣営ともに統一戦に臨む意向が強く、今後も関係各所と協議の上、感染状況を見極めながら延期を含めて開催日時を検討する見通しだ。

井岡にとって12年6月の八重樫東とのWBA、WBC世界ミニマム級王座統一戦以来となるビッグマッチだった。恒例となる井岡の大みそか決戦は今回が区切りの10度目となり、TBS系列で生中継することが発表されていた。現在、スーパーフライ級には複数の日本人世界ランカーもいるため、井岡が4度目の防衛戦として大みそかに日本人対決に臨む選択肢も残されている。