K-1の3階級制覇王者で現スーパーフェザー級王者の武尊(30)が、無期限休養を宣言した。

27日、都内で緊急記者会見に臨み「今回、1回、格闘家として1回歩みをストップさせてもらう。この後のことは決め切れていない」と明かした。

武尊は19日に行われたRISEフェザー級王者那須川天心(23)との58キロ契約体重3分3回(延長1回)で0-5の判定負け。1回に左カウンターでダウンを喫するなどした“世紀の一戦”を終えていた。

理由の1つに挙げたのは心身の状態。「これは公表するか悩んだんですけど、数年前から精神科にも通っている。パニック障害とうつ病と診断をされてて、その部分は昔からでもあったので、自分でもそことうまく付き合いながらできていたんですけど」と説明した。

「今回の試合で1年くらい、決まるまで数年ですけど、そこで、自分の心が耐えれるのか不安もあったし、知らず知らずのうちに自分の心が壊れていっているのを感じて、今回の試合前にちょっと体調が悪くなった時期があって、その時に、いまの格闘家としての人生ではなく、これからの人生を考えた時にいったん治さないと」と語った。

精神面の他に、肉体も悲鳴を上げているという。「公表してない部分のケガが、拳のけがはずっとあったんですけど、拳以外も腰が数年前から分離すべり症になってしまってて、一時期運動も寝ることもできないくらい、下半身のしびれとか、麻痺とかの状態になってて、拳も1回手術したんですけど、そこから完治せず」と満身創痍だったことも明かした。

今後については、新たな目標も誓った。「最高な心と体でまた戻ってくることが、公表する理由としても、同じように苦しんでいる人たくさんいるし、心だけなく、ケガもそうだし、同じケガで苦しんでいる人もたくさんいる。そういう人に、克服して復活する姿をみせることが次の戦いかなと思っているので、まずはその戦いにしっかり勝って、元気な姿。またその戦いをみなで応援してくれたら嬉しいなと思います」と述べた。

◆武尊(たける)1991年(平3)7月29日、鳥取県生まれ。小2で空手を始める。11年9月にプロデビューを果たすと、15年4月に初代K-1スーパーバンタム級王座決定トーナメント、16年11月に初代K-1フェザー級王座決定トーナメント、18年3月に第4代K-1スーパーフェザー級王座決定トーナメントで優勝し、史上初の3階級制覇を達成。プロ通算成績は42戦40勝(24KO)2敗。鳥取県米子市首都圏観光大使、とっとりふるさと大使。20年3月に始めたユーチューブの登録者数は26・3万人。168センチ。