ボクシングに打ち込んできた大阪府枚方市の42歳の女性が、国内では公式試合出場の年齢制限があるため、タイのバンコク郊外で24日夜、念願のプロデビューを果たし、17歳のタイ人のボクサーを相手に見事TKO勝ちした。

 女性は料理店を経営する森本圭美。ボクシングを始めたきっかけは、2年前に夫(49)の携帯電話に別の女性からのメールを見つけたこと。怒って夫に殴りかかったが簡単に押さえ込まれた。強くなりたいと一念発起してボクシングジムの門をたたき、その魅力にとりつかれた。

 しかし、日本でプロテストが受けられるのは17歳以上32歳以下。アマチュアの公式戦も35歳以上は出場できない。「頑張ったという証しが残る公式戦に出たい」との思いが募り、1年前から海外にスパーリングのビデオを送って試合を打診、今年3月にタイでの試合が決まった。

 高校生を筆頭に3人いる子供も「お母さん、必ず勝って帰ってきて」と応援。けんか相手だった夫も森本を支えるため、リングサイドで試合を見守った。

 森本は「リングに上がるとき、タイ人が応援してくれて緊張がほぐれた。今後もチャンスがあれば海外での試合を続けたい」と話した。