<全日本:神奈川大会>◇24日◇横浜文化体育館◇4100人

 「組長」藤原喜明が05年10月以来、5年ぶりに全日本のリングに上がった。藤原組時代の弟子、鈴木みのるとタッグを結成。渕正信と西村修に連続で頭突き攻撃を見舞うなど、石頭ぶりは健在だった。ただし、西村にチョーク攻撃を見舞うと、鈴木から「おい、ちゃんとルール守ってやれよ!」とまさかのダメ出しをされ、苦笑いだった。試合は鈴木が10分22秒、ゴッチ式脳天くい打ちで渕を破った。

 鈴木は22年前、この会場で行われた新日本の大会でデビューした。試合後、藤原に呼び出されて「お前、人と同じことやって何が楽しいんだ!」と怒られたことを覚えているという。「だから22年後、おれはこんなレスラーになっちまった」と藤原にぐちをこぼすと、藤原は「あのときは言いすぎたかな」と、昔を懐かしむように笑顔を見せた。かつての師弟は、リング内外でも絶妙な掛け合いを見せていた。