<プロボクシング:WBC世界スーパーフェザー級王座戦12回戦>◇26日◇愛知・日本ガイシホール×王者・ビタリ・タイベルト(28=ドイツ)判定3-0○同級2位・粟生隆寛(26=帝拳)<1回>粟生が右ジャブでけん制しながら静かなスタート。王者の右フックに、カウンターの右をあわせる。圧力をかけてロープに押し込み、左右のボディーブローを見せた。<2回>粟生は2回も軽快にバックステップし距離をとり、自分の間合いで余裕の表情。王者の右に、ショートの左を顔面にたたきこむ。中盤以降、積極的に前に出でパンチを打ち合う展開に。打ち合いも負けてない。<3回>粟生は、序盤は適度な間合い保ちながら、じわじわと圧力をかける。王者の左フックに、左のカウンターが顔面にクリーンヒット。ダウンを奪うと、立ち上がった王者にパンチラッシュ。ふらふらの王者を後一歩まで追い込んだ。<4回>ダメージが回復しない王者に対し、距離をつめるが、王者の右フック、ボディを食ってしまう。ややペースダウンした粟生だが、決定打は許さず。4回終わって、38-37、39-36、39-35で粟生がリード。<5回>距離をつめて打ち合う展開になるが、王者のパンチをスウェーでかわすなど巧みなディフェンスで主導権を渡さず。タイミングの良いカウンターのパンチが効果的に決まった。<6回>左ボディなど手数を増やす王者に対し、左右のボディーブローを返す。左の目じりを出血しながら逃げる王者に対し、右ジャブから左ストレートなど執拗に追いかける。<7回>粟生が自分のリズムを保って、圧力をかけて、ボディー攻撃。左フックなど単調な攻撃を放つ王者をロープにつめてラッシュ。パンチをまとめるなどポイントを効果的に奪った。<8回>手数が少なくなった王者に、右ジャブから左ストレート。前傾姿勢で前に出ると、ボディが効果的に決まった。終盤、右フックを王者の顔面たたきこみ、左目じりから大量出血。ドクターストップし再開するが、粟生が78-74、78-72、77-72で粟生がリード。<9回>反撃しようとするも前に出れない王者に対し、上下にパンチを打ち分け、コンビーネーションよく試合を優位に進める。王者の左フックもボディ攻撃で対抗する。残り20秒、再びカウンターの左フックが顔面にヒット。王者をぐらつかせると、パンチラッシュで圧倒し、左ストレートでロープまで吹っ飛ばした。<10回>粟生がゴングと同時に一気に決めるべく前に出た。ボディ、顔面とパンチをちらして完全に試合をコントロール。中盤、カウンターの左ストレートが顔面にクリーンヒット。必死にパンチを放って粘る王者に、フィニッシュにならずも圧倒。<11回>疲れの見え始めた粟生だが、ダメージの深い王者より動きはいい。王者のパンチを顔面にまとめられたが、カウンターの左で動きを止める。むやみに振り回す王者のパンチも冷静にディフェンス。<12回>粟生が1回同様、右ジャブで警戒し、距離をとるが、KO狙いで前に出た王者に、カウンターの左。完全に動きを止めて、パンチラッシュ。残り1分、細かい王者のパンチもかわすと、最後まで油断せず、自分のボクシングを展開し、115-112、117-112、116-110の3-0の判定で、2階級制覇を達成した。