<プロボクシング:WBA世界フライ級王座戦>◇26日◇埼玉・さいたまスーパーアリーナ○王者・亀田大毅(21=亀田)

 判定

 2-1×同級14位

 シルビオ・オルティアーヌ(32=ルーマニア)<1回>

 リング中央でお互いにジャブを放ちながら、相手の出方をうかがう。大毅は顔の前でガードを固める。2分過ぎ、大毅が左ジャブから左フックを繰り出すと相手も左フックで対抗。クリーンヒットがないままゴングが鳴った。<2回>

 オルティアーヌは軽快なリズムで左のダブルを繰り出すが、大毅は余裕を持ってガードしている。リングの外側を動き回る相手に対し、大毅はリング中央からほとんど動かない。手数はオルティアーヌに劣るが、2分、左のカウンター、2分半にも左のボディを当てた。大毅の一発の強さを相手は警戒している。<3回>

 オルティアーヌの飛び込んでくる動きには、右を出してけん制する大毅。1分過ぎには右のカウンターがクリーンヒットした。大毅の左フック、ボディが的確に当たっており、オルティアーヌの顔面は早くも赤くなっている。リング内を動き回るオルティアーヌを大毅は冷静に見ている。<4回>

 大毅は上半身を揺らしながら、相手の動きを見ている。相手の左から組み立ててくる攻撃も冷静にかわしている。一発を狙っている大毅に対しオルティアーヌは手数で勝っている。2分以降はお互いにヒットするパンチはなくこう着状態。オルティアーヌの動きが軽快になってきたか。<5回>

 このラウンドもオルティアーヌの手が飛んでくる。大毅は相手が前に出てきたところで右を繰り出すが、互いに決定打に欠ける印象。2分過ぎ、大毅は接近してアッパーを多用するが、相手も左フックで反撃。このラウンドもこう着したまま終わってしまった。<6回>

 やはり相手の攻撃からラウンドが始まる。大毅は30秒、ボディーで反撃。オルティアーヌは体を丸め、嫌がる素振り。相変わらず、手数ではオルティアーヌだが、大毅は足を使いかわしている。徐々に大毅に動きが出てきたか。<7回>

 オルティアーヌの手は止まらない。1分、コーナーに下がったところを左アッパーをもらってしまった。大毅が相手の周りを動く、これまでとは逆の展開。やはり出てくるオルティアーヌとカウンターを狙う大毅の構図だが、こう着状態はまだ続いている。<8回>

 左ジャブから右アッパーを繰り出す相手に、右、左とカウンターを当てていく大毅。2分にはノーガードで相手の攻撃を呼び込んでいく。相手も積極的には打って出てこず、そのままガードをすることなくゴングが鳴った。<9回>

 変わらず相手の攻めを受ける形の大毅。オルティアーヌも手数こそあるが、パンチが軽く効いていない。2分前、大毅は左カウンターを当てて、ぐらつかせた。しかし、相手の動きは止まることはなくラウンドが終わった。<10回>

 静の大毅、動のオルティアーヌという構図は変わらない。大毅は飛び込んできた相手に左ジャブ、右アッパーを繰り出す。がむしゃらに出てくる相手に冷静にジャブを当てているが、足を動かす場面はあまりなかった。

 <11回>

 手数では負けているものの、大毅にはダメージはなさそう。逆にオルティアーヌの顔面は紅潮している。2分過ぎ、大毅の右ジャブ→右フックがヒット。終了間際も左フックがヒット。徐々に相手の顔面をとらえるパンチが増えている印象だが、あと1ランド倒すことができるか。<12回>

 大毅の表情は変わらず落ち着いている。前に出るしか策がないオルティアーヌはやや焦り気味に前出るが、確実に左右のジャブを当てて対処している。ラスト1分、接近しての打ち合い、大毅は右アッパー、相手はモーションの大きな左フックを繰り出すが、最後まで決め手となるパンチは出ず、試合が終わった。判定は116-112、115-113、110-118で大毅が2度目の防衛に成功した。