<プロボクシング:WBC世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦>◇11日◇神戸ワールド記念ホール

 同級10位の井岡一翔(21=井岡)が5回1分7秒、王者のオーレドン・シッサマーチャイ(25=タイ)をTKOで下し、日本人最短となるプロ7戦目での世界王座奪取に成功した。ラウンド詳報は以下に。<1回>

 試合開始後1分はジャブを打ち合い様子をうかがう。井岡はじわじわと距離を詰めるが、オーレドンは間合いを詰めさせない。井岡が前に出たところで、カウンターを狙われるが、足を使ってクリーンヒットを許さなかった。撃ち合いにはならず、互いに探り合いのままゴングが鳴った。<2回>

 やはりじわじわと前に出る井岡。オーレドンはロープを背にしてじっくり構えている。2分過ぎ、オーレドンが連打を繰り出したが、井岡の左フックがクリーンヒット、オーレドンのひざを付かせダウンを奪う。立ち上がったオーレドンに、井岡はたたみかけたが、オーレドンのダメージは少なく、それ以上の決定打は出せなかった。<3回>

 リングの外側を動くオーレドンを追い詰めるようにパンチを出す井岡。1分過ぎには左フックがクリーンヒット。間合いを詰めてたい井岡だが、左のカウンター狙いのオーレドンに手数は少ない。相手を挑発するなど、動きには余裕が見られる。<4回>

 井岡がオーレドンをコーナーに追い詰め、左ジャブ→右ボディ。しかし、カウンターを警戒してか、あと一歩踏み込めない。井岡は左ジャブを多用、徐々に右が当たるようになってきた。オーレドンも井岡が前に出た瞬間に左フックを出すが、大振りが目立ち、井岡はかわしている。公開採点による4回終了後の採点は40-35、38-37、37-38の2-1で井岡がリード。<5回>

 井岡が左ジャブから右ボディを放ちながら間合いを詰めていく。リードを許したオーレドンも左を振り回して対抗する。1分過ぎ、しゃにむに前進し連打に出たオーレドンに、井岡は左ボディ一発。オーレドンはもん絶し倒れ込んだ。立ち上がれないオーレドンを見てレフェリーが試合をストップ。井岡がプロ7戦目、日本人最短での世界王者奪取に成功した。試合後、井岡は「勝てば記録はついてくるので意識してなかったが、率直にうれしい。皆さんと喜びを分かち合いたい」と語った。